一日一膳?善ではないことに注目

イオム同盟詩集

イオム同盟詩集 生田 均

そ い つ

体をのぞけかえらせ、ベットにしがみついたまま、出ぼった喉仏
を上下にけいれんさせ、死ぬ、死ぬう、とうめくやつを、ふたりが
かりでとって押え、モルヒネを注射した。

検査の尿が、みるみる真紅に色がわるほど肝臓が悪く、蛋白と脂
肪質をさけて出した配膳を、三日も手つけず、おれば餓え死してや
る、とすねまわるやつを、口ぎたなく罵しりながら、とうとうブド
ウ糖を注射した。

高熱で気をうしない、灰色にくろずんだ顔、三八〇〇〇という白
血球をおしつつんだ皮膚が、だらしなく瞼のあたりにたるんで、猿
のようにみにくいそいつがときおり薮医者め、とつぶやくのを、よ
しよしと抱きかかえながらあらわにうきでた静脈へ、うんというほ
ど太いリンゲルを注射した。

だがそいつは、或日、まるでわき出る重油のように血をはき、み
るみる敷布を染めあげて私があわててさしむける輸血の針をおとな
しく、受けとると先生生きたい、とかすかに言うと、それっきり眼
をあけたまま動かなくなってしまった。

広 島 で

あなた。
兵役を嫌って大陸にのがれていたあなた。
あれから、もう八年になります。
押花のある手紙をいただいたのは、まだ、あたしが新京の病院に
つとめていたときでしたが、それが最後になってしまいました。
あたしは、その年の秋、広島に帰り、あなたの家をたずねたので
したが、もうそこには見知らぬ人が住んでおりました。
あたしは古い手紙をとり出し、読みながら焼き捨てたのです。
あなた。
古い日記には、あなたの名前がたくさん書いてあります。
新らしいノートにも書いてゆきました。
灯火管制下の暗い部屋でも、たやしませんでした。
本土決戦、という言葉をきくようになった頃には、あたしは、火
薬工場の仕事場に働いておりました。
これだけ作れば勝てるんだ。早く送れば勝てるんだ。
あかい高梁がまじったご飯に藷づるのおつゆをすすり、かすりの
モンペをはいて仕事をしておりました。
どんなに疲れていても、朝はきちんと起きました。
やせ細ってゆく手や足、とがったほほ、しなびた胸をおさえて死
を想いながらも、じっと待っていたのです。
あなた、あなたは、こっそり帰っていたのですね。
けさの、あのまっ白い光は何であったかわかりませんが、一瞬、
肌をつきさした熱さは、広島中の建物という建物をうちこわして焼
きはらっています。
あたしたちは生き身のまま火あぶりにされているのです。
あなた。
あなたの思い出をだきしめてのがれて来たあたしは、いまあなた
の屍をみつけました。
つぶれた電車の座席にのこされたあなたの手をとって、あたしは
泣いているのです。
もうだれも邪魔しはしません。
だれも追っては来ません。
あの人たちは死んでゆくのです。
あなた。
ほこりにまみれ、ぼろ屑のようになったあなた。
笑った顔そのまま、白い歯を出しているあなた。
あなたはあの人たちと共に死んでゆき、あたしの中に生きている
のです。

<<引用から始めたんです。

経緯が解らない詩集が一杯あるんです。
浜口だけではなく、文学少女?国語の教師だった母親と、文学糞ッたれ大連商業だった親父と、
くず屋の時代に円地文子研究家の家にあったものを引き取ったものと、
でも、
なんとなく戦争はいけないんだ、と、思わせるものばっかしです。

敗戦の日が近いから、お盆と重ねて、静かに怒りを表現しましょう!

静かに、過激に、人間的に、
テメエとの距離を見つけて、里山とか自然とか言ってんじゃあ、ねえよ!
って、気もしますが、
ここは、大人の対応としましょうか?

ははははははははははははははははははははははははははははははは。

相手刺す、天を刺す、自分を刺す………………そして、名を差す。

 

かしこ。

 

 

 

 

 

 

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