引用が陰陽五行法ではなくて、仕事みたくなってきた。

岩波文庫
945-946
人間不平等起源論
ルソー 著
本田喜代治 訳

かなり長い引用>>

ディジョンのアカデミーによって提出された左の問題 人々の間に於ける不平等の起原如何、 而してそは自然法により是恕さるゝや否や? を論ずる本変質した事物の中にではなく自給に従って 正しく排列された事物の中に・何が自然で あるかを考察しなければならぬ。
アリストテレス政治学 第一巻 第二章

註について一言

わたくしは、途切れ途切れに仕事をするといふわたくしの怠惰な習慣に従って、この著述に若干の註を加へておいた。これらの註は往々その主題からかなり離れてゐて、ために本文と一緒に読むのは却ってよくないくらゐである。それでわたくしはこれを本論の終りへもって行き、本論の中では出来る限り一直線な道を辿るやうに努めた。初めからやり直すだけの勇気のある人々は、もう一度獲物を狩り出して楽しみ、そして註を跋渉することができるであらう。その他の人々はこれをちっとも読まなくても大して差支へはなからう。

ヂェネヴ【フに点々ですぅ】共和国に獻ず

英邁にして至高なる諸卿足下

故國に封してその故国が是認するやうな敬意を拂ふことこそ有徳な市民のなすべきことと堅く信じまして私は公開の讃辞を諸卿に捧げることができますやう研鑽これ勉めましたことここに三十年、幸ひ今度の機会がわたくしの努力の成し得なかったところを一部分補ってくれましたので私は恐らく法の許す以上に日頃の熱望をここで披瀝することが許されるであらうと存じました。

幸ひにして諸卿の間に生を享けました私は、自然が人々の間に定めた平等と人々がこしらへた不平等とを考察するにあたり、あの深き慧智のことを

──これあるがために平等と不平等とが、當国家に於てうまく組み合され、そして自然法に最も近く且つ社會に最も好都合に、公の秩序の維持と個々人の幸福とに協力してゐるのでありますが──

その慧智のことをどうして考へないでゐられませう?正しい理性が政府の組織に関して訓へる最上の格言を索めました時わたくしはそれらの格言が全部諸卿の政府で現に行はれてゐることを見・いたく驚きました。それは實に、わたくしが諸卿の城壁の内に生れてゐなかつたとしても、恐らくこの人間社会の圖面の方をあらゆる國民のそれにも増して推稱しないではゐられなかつたであらうと思はれるくらゐであります。後者(あらゆる國民の圖面)は一層勝れた長所をもつてはゐますけれどもまた一層濫用され易いといふ缺點があります。

もし私が自己の出生の場所を擇ぶべきでありましたならば、私は恐らく人間の能力の範囲によつて限られた大いさの・すなはち十分に統治され得る程度の社會を、そして各人がその仕事を十分に仕遂げることができて・何人も自己の負はされた職務を他の人々にさせるには及ばないやうな社會を、

──個々の人々が皆互ひに識り合つてゐるので、ひそかに行はれる悪事も、地味な徳行も、すべて公衆の視線と審判とを免れ得ないやうな國家を、そしてこの互ひに見・互ひに識るといふ気持のよい習慣が故國愛をして市民愛(土地愛よりも寧ろ市民愛)たらしめるやうな国家を、──

擇んだことでありませう。

わたくしは、すべての統制運動が決して共通の幸福以外には向はないやうに、主権者と人民とが唯一不二の利害しかもち得ないやうな國に生れることができたらばと存じます、が、さういふことは人民と主権者とが同一の人格でなければだめなことでありますから、結局わたくしは民主的な・慎重に綬和された政府の下に生れられたのならばよかったのだといふことになります。わたくしは自由に

──すなはち法の気高い支配をわたくしが(また何人もが)振り離すことのできないやうにそんな風に法に従って──

生き且つ死ねたらばと存じます。この法の支配こそは最も尊大な首でさへもが著けてゐる有難い優しい軛でありまして、それら偉大な首共はそれ以外の軛を何一つ著けるやうにはできてゐませんのでそれだけ一層柔順にこの軛を著けるのであります。

つまり私は国家の何人もが法を超越して思惟することを得ずまた國家の認めざるを得ない法を外部の何人もが課することを得ないやうにと望むものであります、なぜなら、政府の組織が如何やうでありませうとも、そこにただの一人でも法に従はない者が見出されますならば、必ずや他のすべての者がこの者の意の儘になるのでありますから(a)。ここに一人の國民的首長と、もう一人國外の首長とがありますならば、彼等が如何やうに権力の分配を致しませうとも、双方が共にうまく服従されて社會がよく統治されるといふことは不可能であります。

わたくしは、如何に良い法をそれがもってゐませうとも、新制度の共和國に住みたいとは思ひません、といふ譯は、恐らく現時の必要に副はないやうな風に構成される政府が新しい市民に適しないか、或ひは市民が新政府に合はないため、さういふ國家は生れるや殆んど直ちに震撼され破壊されることを免れないからであります。蓋し、自由といふものはあの中味の多い滋養豊富な食物或ひは強くて良い葡萄酒のやうなものでありまして、さういふ飲食物はそれに慣れてゐる丈夫な性質を養ひ強めるには適しますけれども、さういふものに合はない繊弱な體質に封してはこれを壓し滅ぼし酔ひ潰します。ひとたび服従に慣れた人民はもはや主君がなくてはやつて行けません。束縛を震ひ落さうとすれば彼等は益ゝ自由から遠ざかります、束縛とは反封の不覊放縦を自由と思ふ結果、彼等の革命は、殆んど常に、彼等の鎖を重くするに過ぎない煽動家に彼等を手渡すのでありますから、それだけ一層自由から遠退くわけであります。あらゆる自由国民の模範であるあのロマの國民でさへタルクィニウス Tarquins の厭制から脱した時自ら治める力はありませんでした。

タルクィニウス家が強制してゐた奴隷制と賤役とのために下落してゐたローマ國民、最大の慧智を以て按配し統治しなければならなかったのは何よりも先づこの愚民でありました。かくして後やつとこれら暴政の下に憔悴或ひは寧ろ鈍磨してゐた魂が、徐々に清々しい自由の空氣を呼吸することに慣れて行って、さうしてあの厳格な風俗とあの誇らかな勇気とを

──つひにローマ国民をしてあらゆる国民の中で最も尊敬すべきものたらしめたあの厳格さとあの誇らしさとを──

次第に攫得して行ったのであります。それゆゑ私はわが故國のために幸福にして平穏な一共和國を

──その淵源が謂はば太古の闇の中に消え失せてをり、その住民の中に勇氣と故國愛とを顯はし且つ強めるに好都合な攻撃だけしか受けたことがなく、そしてそこの市民が、久しい以前から聴明な獨立に慣れてゐて、ただに自由であるのみならず自由であるだけの値打がある、といつたやうな共和國を──

欲しいものだと思ひます。わたくしは、幸福な無力のため殘忍な征服愛に患はされることなく、それよりももつと幸福な地の利のため自ら他國に征服されるの懸念なきやうな故國を

──どの國民もがこれを侵略することに関心をもたず、そして各國民が餘他国民を妨害してこれを侵略せしめないことに関心をもつ、といつたやうな若干の國民の間に位置する自由な都市を──

一口に言へば、隣國の野心を少しも誘發せずそして必要に應じそれら隣國の援助を頼み得るやうな共和國を──擇びたいものだと存じます。さうしますれば、この共和國は、さういふ好都合な位置に在って、己れ自らのほか何物をも恐れる必要なく、従ってその市民が武を練ると致しましてもそれは彼等の自衛に備へるの必要からといふよりは寧ろあの戦撃気分を

──まことに自由にふさはしいそしてよく自由の趣味を養ふ・あの誇らかな勇氣を──

彼等の間に維持するためだ、といふことになります。わたくしは立法権が全市民に共有であるやうな図を索めたいと存じます、なぜなら、同一の社會で一緒に生活する場合如何なる條件に於てするのが自分等に好適であるかを誰が彼等以上によく知り得るでせう? しかしあたくしはロマ人のプレビスキタ plébiscites に類するやうな人民投票は認めたくありません。そこでは國家の長官連や國家の保存に最も関心をもった者達が國家の危急存亡を廔ゝ左右した討議から除外され、そして法官達が無法にも平市民の享けてゐた権利をもってゐませんでした。

それで私は次のやうなことを望むものであります、利害一點張りの・下手に考案された計劃や終ひにアテネ人を亡ぼしてしまった危険な改造を止めさすため、各人が銘々の空想から出た新法律を提出するといふやうな力をもたないこと、かやうな権利はこれをただ法官にのみ屬せしめること、しかも法官はこれを極めて周到に行使すること、人民はまたこれらの法律に協賛を輿へるに際し力めて慎重であるべく、その公布は厳正な法式を似てでなければできないとし、かくて憲法が震撼されるまでは、法律が神聖且つ尊貴であるのは殊にその法律が大いに古いがためであるといふことを人々に確信させるやうにすること、やがては人民が日毎に變改されるやうな法律を蔑視し、さうして、舊習を無視するに慣れた結果、人々が、もつとよくしようとの口實の下に屢ゝ小悪を匡正せんとして大悪を導入するのを人民が軽蔑するやうになること。

殊にわたくしは、人民が法官などはなくてもよい若くは極く些細な極力だけをこれに残しておけばよいと信じて輕率にも民事行政とその法律の執行とを掌るやうな共和國を、必ずやうまく統治されないものとして、これを避けたいと思ひます。自然の状態から出たばかりの最初の政府の粗野な組織はこんな風であったに相違ありません、アテネ共和國を亡ぼした悪徳の一つも亦これでありました。

しかし私は、個々人が、法律に協贊を興へ・團結し且つ長官達の報告に基いて最も重要な公事を決定することに滿足してをり、さうして威信ある法廷を樹立し、國を注意深く諸縣に区分し、また裁判をし国家を治めるため.その市民中の最も有能廉潔の士を年々選出するといふやうな共和國

──かくて法官達の徳が人民の慧智の澄左となり双方が互ひに歯敬し合ふやうな共和國──

を擇びたいものと思ひます。かくして、萬一不祥な誤解から公の和合が擾されるやうなことがありましても、かやうな盲目と誤謬の時代そのものが節度と相互尊敬と一般的な法律の遵守といふ證票をもつてをり、また真摯にして永久的な和解の前兆と保障とを豫約してゐるといふことになるのであります。

かくの如きが、英邁にして至高なる諸卿足下、わたくしが擇びたいと存じまする故國に索めます美點の数々でござゐます。なほその上に若し面接が気特のよい地勢と温和な気候と豊饒な土地と、それから、天が下にて最も佳麗なる地貌とをお加へ下さいますならば、私は、自分の幸福を満喫するため、この仕合せな故國に在つてこれらの全利益を享楽しながら、同市民諸君と平穏な交はりの中に生活し、彼等に封しまた彼等に倣つて仁慈、友愛などすべての徳を行ひ、さうして 善人としての・また誠實有徳の愛國者としての光栄ある記念を後に遣したいと希ふほかに餘念はありません。

不幸にして、或ひは私の目の醒め方が遅過ぎましたため、あたくしは他國で弱々しく頼りない生涯を終へなければならぬはめに立ち至り、恐らく青年期の無分別のために失ひました安息と平和とを今更惜んでも詮なき業ではありますが、少くとも私はこの・自國で利用し得なかった右の如き諸々の感情を自分の魂の中に涵養したいと存じます。そして、遠く離れた同市民諸君に對する愛情と正義感に浸りながら私は殆んど心の奥底から彼等に封し次のやうに申し述べたいと存じます。──

<<引用ここまで。ふぅ。

素敵な感じに感じた漢字。やな、感じ。
可能な限り=匿名で一銭にもならんけど、眼を傷めて、という意味。
旧字は旧字で、給仕した。高校球児は旧事みたい。なんのこっちゃ!
ああ、
無責任という立場の現在性。

不幸にして、或ひは私の目の醒め方が遅過ぎましたため、あたくしは他國で弱々しく頼りない生涯を終へなければならぬはめに立ち至り、恐らく青年期の無分別のために失ひました安息と平和とを今更惜んでも詮なき業ではありますが、少くとも私はこの・自國で利用し得なかった右の如き諸々の感情を自分の魂の中に涵養したいと存じます。
ルソーより。

これだけで、良かったりして………

ははははははははははははははははははは。

今日はカレーだ!わぁーい!わぁーい!

 

 

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